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執筆者の写真笠置町 恵那市

【恵那市笠置町移住者インタビュー】 坂元さん【恵那栗 自然薯 農業 栗きんとん好き 愛知から岐阜へ移住】

更新日:2021年10月17日

坂元賢二さん


[プロフィール] 

坂元賢二さん:愛知県名古屋市出身 2018年2月 Iターン移住 

       超特選恵那栗部会・ひがしみの自然薯生産部会


Q.笠置町移住の経緯を教えてください。

A.子どもの頃に食べた栗きんとんの味が忘れられず、栗農家になりたかった。


 名古屋のスケートリンクで11年間勤務し、スケートのインストラクターや氷を綺麗にする整氷を担当していました。所属するオリンピック選手の鈴木明子さんのメインリンクで練習用に氷のメンテナンス作業をしたり、子どもたちにスケートを教えるのが好きでした。当時活躍中だった浅田真央選手や安藤美姫選手の好む氷のコンディション提供に関われた事も思い出です。


 異動でスケートの仕事から離れることとなったのを機に転職を考え、以前から興味があった農業を目指す事にしました。子どもの頃食べた栗きんとんの味が忘れられず、栗農家になりたいという気持ちがありました。


 移住先は栗栽培のために中津川か恵那でと考えていました。移住説明会で、恵那市の担当の人の説明がよく、恵那市の農業に対する取組みが気に入り移住を決めました。


Q.家はどのように探しましたか?

A.名古屋の不動産屋さんで、地主さんともご縁があって


 空き家バンクには物件が少なく、条件が合う物がありませんでした。そこで、名古屋の不動産屋で探したところ、条件に合った物件が姫栗に見つかり、そこに決めました。


Q.お仕事は何をされていますか?

A.栗と自然薯の栽培。前職を活かしたスケート場でのアルバイトも。


 退職後、岡崎にある愛知県立農業大学で9カ月間開催される雇用創出農業研修を受講し、露地野菜、施設野菜、土壌診断、トラクターや重機の乗り方など農業の基礎から応用までを幅広く学び農業の土台を築けました。その時一緒だった30人は農業仲間となり今でも交流しています。


栗の木の剪定をする坂元さん

 移住後は、剪定技術講習会や栗の栽培チャレンジ塾を受講し岐阜県方式の低樹高栽培を学びました。


 この講習会の講師を務めていた森川哲幸氏の指導方法が丁寧かつ理にかなっていたため、主催者にお願いをして引き合わせてもらいました。


 2年目から自然薯栽培にも挑戦し、栗と自然薯さらに副業とこれからの若者世代でも受け入れられる就農モデル確立を目指し奮闘しています。


 栗の収穫が終わる10月中旬から2月までは、前職を活かして、クリスタルパーク恵那スケート場で、設営工事から氷張り、整氷作業から解体工事までを担当しました。


 地元のおじいちゃん達と作業しながら、東濃弁を教えてもらい「おぞい「いかい」「かんかない」などをノートにメモして覚えました。



Q.栗園などの農地はどのように借りられたのですか?

A.喫茶店で、農園主さんとのご縁がつながった。


 森川先生が喫茶店でたまたま「栗園の担い手どこかにおらんかね」という話を聞き、「移住して栗をやりたい人がいる」と話を繋いでくれて、そのご縁で毛呂窪の栗園を借りることができました。恵那市が間に入ってくれて契約書の作成から各種手続きを行ってもらえたのでとても助かりました。


 この取り組みは恵那市の農政課が行っている「園地流動化」というプロジェクトで農地の貸し手と借り手を上手くマッチングしてくれる仕組みです。去年からは大井町の栗園をこの園地流動化プロジェクトで借りて園地拡大をしました。ここは旦那さんが管理していたのですが、亡くなられて奥さんが困っていたのを借り受けました。


Q.栗の収穫量はどうですか?

A.昨年は、「超特選恵那栗」として500kg出荷できた。


借りたばかりの栗の木の状態

 一つ目の栗園は全て樹齢40年以上の成木後期と言われる樹で、 1年目の収穫量は80kgでした。


 太い枝をカットバックして樹を若返えらせる剪定をすることで2年目には180kgに増えました。


 3年目は園地拡大もあり、合計で500kgの収穫量でした。


 出荷実績と園地視察による審査に合格すると恵那栗振興協議会の「超特選恵那栗」として恵那川上屋に全量出荷できるようになります。部会では青年部を立上げ、次世代の担い手育成の手助けができるよう頑張っています。



Q.自治会や地域の活動はどうですか。

A.高野先生の講演がきっかけで、移住定住の必要性を感じ、移住定住委員になった。


 移住定住委員会のアドバイザーである名古屋大学の高野先生の、「笠置町の出生率低下に関する講演会」に参加して笠置町消滅の危機を知り、移住定住委員会に参加するようになりました。

 移住者として笠置の魅力を伝えたり、農業を通じて移住を検討している方にアドバイスできたらと思っています。


Q.不安や不満に思うことはありますか。

A.長雨で草刈りのタイミングを逸してしまい、ご迷惑をお掛けしたこと。


 今年の梅雨は雨続きで晴れ間が少なく、草刈りをやるタイミングを逸してしまい、結構草が伸びてしまいました。ご迷惑を掛けてしまったと思いましたが話をする機会もなく、挽回する事ができず辛かったです。直接ではなく、うわさ話として耳に入ったので余計に悩みました。もう地域のイベントやお祭りには顔を出せません…。


 今年は草刈り用に「ハンマーナイフモア」という機械を買ったのでツルツルに刈る予定です。岩場や溝には栗畑で採用している「ナギナタガヤ」というイネ科の植物を植えることで自然に倒伏して他の雑草が生えない工夫も試しています。増えるまではそれが雑草と勘違いされがちですが、除草剤を使いたくないので採用しています。


Q.これからの展望はありますか。

A.栗と自然薯の6次化と担い手育成をしたい。


 栗と自然薯の生産をしつつ、加工から販売までする6次化を目指しています。民家を活かし、「自然薯とろろの店」を展開したいです。食品乾燥機と製粉機を導入して、栗のソフトクリームや自然薯入りのお好み焼きなどを販売予定です。購入できる民家が決まればすぐにでも始めたいのですが、条件やタイミングを合わせるのが難しく感じています。


 親日家であるポーランドの国や国民が好きという事もありボートの練習場でもある下河合が一番良い場所だと思っています。ポーランドの選手たちに恵那の特産品をたくさん食べてもらいたいです。


 担い手育成のために、「農mers」というアプリを使って農作業の手伝いや農業体験をしてくれる人を募集したところ、1カ月で12名の問い合わせがあり、実際に栗と自然薯の収穫体験に来てくれたのは6名でした。一番熱心だったのは大学3年の男性で、笠置町に移住したいとまで言ってくれました。栗の栽培にも興味を持ち、恵那川上屋への就職も視野に入れアドバイスさせてもらっています。



 今年から恵那農業高校のインターンシップ受け入れにもチャレンジして地元の優秀な農業従事者育成にも力を入れて行きたいと感じました。色々教えるにあたり、自分も勉強し直したりして身が引き締る思いでした。インターンシップ受け入れも毎年続けていきたいです。



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